私たち、政略結婚しています。

隠された事実



閉じた瞼の中の暗闇にチラチラと光の明るさが見えたような気がしてそっと目を開けた。

――――朝…か。

カーテンの隙間からこぼれる朝日に目を細める。

視線を下に移すとそこには俺の身体にしがみつくように眠る佐奈の寝顔がある。

乱れた彼女の前髪をそっとかき上げ、そのまま頬を撫でる。


……彼女が……何かを隠していることには前々から気付いている。
行動に矛盾がありすぎて違和感を感じない日はない。

俺を突き放しておきながら瞳の奥から何かを訴えかけてくる。

なあ、佐奈……。何があった?



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