「じゃあ…奥さんのリクエストに答えて今夜は頑張るとしますか」

克哉がお風呂から出てきて、ビールを冷蔵庫から取り出しながら言う。

「え?何を?」

私は彼が見ていたパソコンの画面を自分で確認し直しながら言う。

「ちょっと待って。一杯飲んでから。気合いを入れないとな」

…?何を言っているのだろうか。
不思議に思いながら彼の方を見る。

「…誘惑されちゃしょうがないからな」

克哉はニヤリと笑って私を見返した。

「な!そんなの、していないし!」

私はようやく彼の言いたいことが分かって顔を赤くしながら手を振る。

「まあまあ。そう照れんなって。夫婦なんだからさ、遠慮すんなって」


いやいやいや!なに言ってんの!


彼は缶ビールをググッと飲み干してから、私の方へと近づいてきた。

「俺もさ~、今さらお前に実家に帰られても困るんだよね。親に頭下げて結婚したんだし。『幸せにします』なんて言ってさぁ。夫の勤めくらいは果たさせてもらうよ」

そう言いながら顔を近付けてくる。




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