人気イラストレーター×スタ文作家トークセッションレポート

作家交流会特別企画人気イラストレーター×スタ文作家トークセッションレポート

先日、スターツ出版の書籍化作家さん向けに行われた作家交流会にて、イラストレーターのカスヤナガトさん、げみさん、作家のいぬじゅんさん、沖田円さんによる超豪華なトークセッションが開催されました。
当日は、サイト上でみなさんに応募していただいた質問を厳選してスタ文編集長がインタビュー!その様子をピックアップしてお届けします!

Q.イラストレータ―お二人が小説をイラストにしていく過程について聞かせてください。

カスヤナガトさん
「いただいたお話を読んで、そのとき感じたままを絵にしているので、言葉で説明するのはわたしの場合は難しいです」

げみさん
「僕の場合、篠原さん(スタ文編集長)からキーワードとして「これとこれを入れたい!」という風にヒントを頂くことが多いので、そのヒントとなるモチーフや言葉を主語ある文章に一度整理してから一枚の絵に仕上げていく方法で描いていますね」

Q.みなさんの人生におけるターニングポイントみたいなものってありますか? (イラストレーターや作家になったきっかけなど)

カスヤナガトさん
「元々、シルバーアクセサリーをつくる専門学校に通っていたんですが、どうしても就職するっていうイメージが湧かなくて。そんなところから自分の持っているカードのうち、どれが商売になるかなと考えていたなかで、それがイラストだったと気づいたときですかね。そこからイラストレーターを目指しだして、今も頑張りながらなんとか食べれるくらいにはなったなぁ、という感じですね」

げみさん
「僕もやっぱり就職したくないなっていうのが大きかったですね。というより実家が自営業だったのもあって最初から就職するビジョンが見えなかったという理由もあります。なので最初は家業を手伝いながら絵を描く時間を取って制作活動をするような事を考えていたと思います。ただ大学卒業後、自分の絵がこの世界に存在する意味や価値がないんじゃないかと、絵を描く意味を見いだせなくなった時期があって病んでたんです。でもそのころにたまたまCDジャケットの依頼をいただいて。誰かのためになら絵を描く意味があるんじゃないか、それなら描くことを続けられるかもって思いました。それが転機でした。イラストレーターとしてお仕事をいただけるようになるまでは、どうしたら誰かに必要とされる絵が描けるのかな、というようなことを考えながら描き続けてきましたね」

いぬじゅんさん
「僕は友だちが、失恋しちゃって。それはもう大失恋で相当落ち込んでしまっていて、そのときにその人の力になれたらみたいなところから、ショートストーリーを書いたのがきっかけですね。誰かのためになれたら…ってところからですね」

沖田 円さん
「わたしは、自分を慰めるために書いたというか。看護学校に通っていたときに、どうしても看護師になりたいと思えなくなってしまって。母には資格だけは取ったほうが良いって言われたんですけど、どうしても看護師になりたくないのに通う意味があるのかって悩んでしまって。そんなときに現実逃避のようにしてたまたま出会った野いちごで、そういう迷いとか消化できない想いみたいなものをアウトプットする方法として、書いてみたのがきっかけですかね。その頃はこんなに続くとは、ましてや書籍化されるなんて思ってもみなかったんですけど…そういうきっかけがなければ今のわたしはないですね」

いぬじゅんさん
「沖田さんのお話伺ってて思い出したんですけど。もともと教育大学に通っていて、小学校の先生になりたくてっていうのがあったんですけど、教育実習の初日に子供が来たのを見て鳥肌が立っちゃって!そのとき初めて自分、子供ダメかもって思っちゃって(笑)いちおう卒業はしたんですけど、今は真逆の、高齢者福祉の仕事をしてて。そういうのも、ターニングポイントかな、なんてふと思い出しました」

Q.作家として、嬉しかったこと苦しかったことについて知りたいです。

いぬじゅんさん
「嬉しかったことは、自分の書いたウェブサイトにアップした小説に初めて感想がついたときの嬉しさっていうのは、やっぱり今でも忘れられないですね。あとはファンの数が増えていくときっていうのは、むしろ本になったときよりも嬉しかったなって思います。サイトを通じてでも生の声を聞けたっていうは本当に嬉しいですね。あと、苦しかったことっていうのは…編集作業(笑)あんまり大きい声じゃ言えないですけど、苦しいですね。良い作品をつくるために傷だらけになりながら、殴り合いしてる感じですかね。『いつか、眠りにつく日』をつくるときに、当時の編集の方がラストを思いっきり変えたいと言われて、そのときもちょっと喧嘩になって(笑)負けちゃって、サイト上と本とはラストが違うんですけど、編集者の目っていうのは違うなって思うところがありますね。時を経て今になって、本を見返すと救いのあるラストになっているところは、改めて見ると良かったなって感謝しています。と言っておきますね(笑)」

沖田 円さん
「いぬじゅんさんと全く同じですね。編集作業、大っ嫌いなんです(笑)編集作業は、篠原さん(スタ文編集長)との戦いですね。指摘を受けて直さなきゃ、さすがだなって思うところと、自分の意志を貫かなきゃ!ってところはやっぱりありますし…あとはやっぱり、タイトルの変更っていうのはあんまりしたくないなっていうのはありますね。『僕は何度でも、きみに初めての恋をする。』っていう作品も原題は英文なんですけど、わかりづらさがあるってところから編集部に考えていただいて、やっぱり少し自分が考えたタイトルと愛着の違いはありますね(笑)今となっては『ぼくなん』っていう愛称もできて、感謝しております、と言っておきますね」

編集後記

イラストレーターのお二人も作家のお二人も、それぞれに歴史ありという貴重なお話を聞くことができました。また当日はスタ文編集長も進行役として参加していたこともあり、編集作業に対しては日ごろの思いが爆発した部分もあり、なかなか聞くことのできない“ぶっちゃけトーク”が繰り広げられ、ひやひやあり笑いあり、の盛り上がりとなりました。
ご質問を応募いただきました読者のみなさま、ありがとうございました!

※作家交流会
スターツ出版から書籍化をされている作家さんに任意でご参加いただいた交流会。2017年8月に東京都内会場にて初めて開催させていただきました。今後も定期的に開催をしていく予定です。

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