高校生の近原ひなは、かつて住んでいた街に10年振りに戻ってきました。
会いたくて会いたくて仕方なかった幼なじみ・藤川狼くんに会える日を、ずっと楽しみにしていながら。
話したいこと、聞きたいこと、いっぱいあるなかで昂る気持ちを抑えて本人を目の前にしたひな。

満を持して狼くんから返ってきた言葉は
「お前、誰？」という悲しいものでしたが
ぶっきらぼうでも優しい狼くんを、目の当たりにし始めて…？

＊

可愛らしくてキャッチーな世界観に、作者さまの一貫した陽だまりの優しさが心を撫でてくれたようでした。
狼くんは何故ひなに冷たい態度をとるようになってしまったのか。最後まで目が離せなくて、その理由を知った時、彼の一途さに大きな愛を感じました。
柔らかなパステルカラーの色光を携えて、素敵なキャラクターたちの想いに心があたたかくなります。素敵な作品ありがとうございました！

主人公の浅海姫茉は、心に傷を負った中学生の頃からひとりぼっちで学校生活を送っていました。
これからも目立たないよう静かに過ごそう。そう思っていた彼女のことを、まばゆい光のような彼が見逃すはずがありませんでした。
最上寧衣くん。眉目秀麗で頭脳明晰な、一目置かれる人気者のクラスメイト。

「あ、浅海さん見つけた！」

きらめいた光が姫茉を導いた時、ふたりの運命が動き出します——…。

＊

寧衣くんが姫茉ちゃんの心に触れるたび、作者様にしか描けない唯一無二のきらめきを拝見しているようでした。ふたりはお互いだったからこそ惹かれあったのだと心から思います。周りのキャラクターもとても真っ直ぐで応援したくなりました。
こころの真ん中を優しくすくうような胸キュン。読了後も余韻を楽しんでいます。
素敵な作品、ごちそうさまでした！

高校生の優里は、18歳の誕生日を迎えた日、目の前にいる幼なじみが婚約者であることを知らされます。
しかもその幼なじみは国民的人気俳優のYUUこと、結城采斗！
幼なじみとはいえ芸能人×一般人。
優里は絶対ありえないと思っていたけれど、采斗はとっても乗り気なようで…！？
そして、優里も采斗が気になり始めて…？

＊

自分の気持ちをストレートに伝える采斗くんの一途さ、優里ちゃんの反応の可愛さ、脇を固める人たちの真っ直ぐさ。
胸キュンが止まらず、もっと続き読みたいけど終わらないで…！と気持ちが格闘していました。
幸せな気持ちになれる素敵な作品です。ごちそうさまでした！

この物語は、カップルの月と星が過ごす、とある日を描いています。
2人で過ごしていたけれど、彼女の月は全然こっちを見てくれない。来てもくれない。携帯の画面に夢中でした。
彼氏の星は一緒にいるのに寂しくて切ない感情を抱きますが、月が携帯画面を見ているのにはある理由があって——…。

＊

なんて優しくて可愛い、そして気品に溢れたお話なんだろうと思いました。
大好きな人がスマホばかり見ている時に感じる孤独感や、ちょっとしょんぼりした気持ち。現代社会らしさを含んでいるからこそ、誰もが世界観に釘付けになるのではないかと思います。
そして、彼らが迎えた物語の結末が素敵で、幸せをお裾分けして頂いた気持ちになりました。短編でありながら何層にも練られた可憐な世界、大好きです。
素敵な作品をありがとうございました！

高校生の菜花は、体調不良で保健室で休んでいました。
カーテンを開ける音で目が覚めると、目の前にいたのは完璧男子と有名な夏目涼々くん。

「ねぇ、郁田さん。俺としてくれない？」

品行方正な彼からの爆弾発言で始まった、菜花と涼々の関係。
一切関わりのなかったふたりですが、その日を境に甘い関係が始まっていくのです——…。

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夏目涼々くんの魅力に射抜かれること間違いなしです。
作者さまの作品はいつも、甘くて優しい食感のお菓子を可愛らしいラッピングとともに楽しませて頂いているような気持ちです。ページを捲る度に展開を思う楽しさ、作者さまの作品を楽しめるご褒美の特別感。全部がたまらなく幸せに感じました。
胸キュン間違いなしの素敵な作品です。ごちそうさまでした！

主人公の深咲はバスガイドとして、仕事に一生懸命打ち込んでいました。
数日前に一切の連絡を絶った恋人のことを忘れようと、一生懸命に。
恋人は人気のバンドマンで、学生時代から一緒でした。小さなライブハウスで歌っていたときも、どんどん大きな存在になっても、きっと大丈夫と思っていました。

彼に出た熱愛報道は、深咲の心にとどめを刺します。
もう会わないと決心する深咲ですが、本当は——…。

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重厚な短編映画を見ているようでした。夢中で背中を追いかけている拝読中も、心を撫でてくれる余韻も、愛しくてたまりません。アオイのプロポーズも、オムライスを頬張る姿だって、きっと深咲にはやさしい音色を伴って聴こえているのだろうと思います。心で歌うブラックストロベリーの歌を、想いを、ぜひたくさんの方に“聴いて”頂きたいです。
素敵な作品を本当にありがとうございました！

高校生の紗和は、幼なじみの圭太に想いを寄せていました。けれど圭太にはお似合いの相手がいて、紗和の入る隙はありません。
そんな中、紗和は女遊びが激しいと有名なクラスメイト・紘が先輩とキスしているところを見かけます。

先輩とのキスのあと、紘は涙を溢していたのです。

好きな人には好きな人がいる、切ない幕開けから
紘と紗和の関係が、はじまっていきます——…。

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苦しさと切なさのなかにある、確かなあたたかさ、そして煌めき。
大人ではないけれど大人に確実に近付いている、繊細な葛藤もやさしく包み込むように描かれている圧巻の構成と描写。初めから在り続けた一筋の光が、最後には陽だまりとなって周りを包んでいくような、唯一無二の世界観を感じました。

何度も読み返して背中を押してもらいたくなるような、切なくもあたたかい作品です。
素敵な作品を本当にありがとうございました！

高校生の阿部佳月は、初日から入学式に遅刻しそうになってしまいます。そんな佳月の前に颯爽と現れたバイク乗りの「彼」は、同じ高校の生徒だと佳月に告げます。
その瞬間から、いやもっと前から、ふたりの運命は動き出していたのですーー…。

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兄と妹に挟まれ、居場所がないと苦しんでいた佳月。そんな佳月にぶっきらぼうに、優しく真っ直ぐに手を差し伸べる昂弥。
けれど昂弥は、佳月が手を差し伸べたいと願うことすら許さずに一線を引く。そんな彼女と彼がだんだん互いに心を開き、また繋がりあっていく奇蹟が愛おしくて仕方ありませんでした。そして高校生よりもっと前から始まっていた尊い関係も、心を優しく撫でてくださる世界観とともに楽しめたこと、本当に幸せに思いました。

誰だって紛れもない自分自身で選択を繰り返し生きて行く日々は、辛いことも苦しいことも多いけれど、きっと大丈夫。そう思わせてくれる魔法のような作品でした。

「学年１位」。それにこそ価値があり、それにしか価値がないと思いながら生きてきた綾乃。
親の期待をただひとり背負い続け、努力して努力して今を必死に生きていました。どこか、諦めを抱きながら。
そんななかで出会ったのが高城領というクラスメイトでした。彼は音楽のテストで綾乃を抜き１位をとっており、黒い感情のもとで彼を見つめつつ音階を歌います。
その瞬間、運命が大きく動き出していくのです。

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音楽は、世代を問わずあらゆる人の傍に在るものだと思います。その特別で唯一の存在感を、文章でこんなに軽やかに鮮やかに表現できるのかと衝撃を受けました。音楽というお話の柱がありながら、登場人物たちの成長がきらきらと描かれていて、読後は余韻に包まれ笑顔になりました。
青春という日々を、作者さまの紡ぐ世界が鮮彩に唄っているように思います。素敵な作品をありがとうございました！

高校生の光莉が憧れているサッカー部の篠宮くん。
表情も声色も、そしてサッカーが大好きと身体中から感じる想いも。全部が光莉にとっては特別であり憧れ。
きみみたいになりたい。その想いが優しく変化を遂げたとき、あたたかくて眩しい大粒の光がふたりを纏った気がしました。

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こんなにも爽やかでぽかぽかと眩しく、心のなかを丸ごと抱きしめてくれるような作品に出会えて、ただただ幸せに思いました。
登場人物みんなが誰かを想って行動して、それは光に溢れてて。切なくも愛しく、どこまでも優しい。そんな素敵な世界を紡いでくださる作者さまの想いは、文字ではとても表しきれません。感じたものすべてが尊く何物にも代えがたく感じました。

青春の大粒の光を、たくさんの方に見届けて頂きたいです。宝物がひとつ増えた幸せな気持ちです。
素敵な作品を本当にありがとうございました！

「好きなの！わたし、そばにいたい」

「ごめん。忘れられない人がいるんだ」

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元・お嬢様の寧音は、同居最終日に円に告白するも振られてしまいます。
それから同じクラスになり席も近くなったふたり。一生懸命ただのクラスメイトとして振る舞おうとする寧音ですが、どうやら円にそのつもりは…。そして、ふたりを繋ぐ鍵となる「バイオリン」。ふたりを見守る登場人物たちもあたたかく、本当に優しい音色が紡がれている世界でした。

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ぐっと引き込まれるはじまりから、最後の最後まであっという間でした。一人ひとりの心情が丁寧に描かれ、譜面の音符が陽だまりに照らされ唄っているようでした。ふたりの幸せ、みんなの幸せをずっとずっと願っています。
素敵な作品を本当にありがとうございました！

「天才と天才が出会ったらどうなるか？」

とある美大に通う、先輩の彼女と後輩の彼。
彼女も彼も、「天才」と評されてきました。…その言葉に誰よりも後ろめたさを感じ、苦しみながら、それでも評されてきたのです。

評価を得たい。誰かに褒められたい。賞をとりたい。そういうために絵を描いているわけじゃないと思いながらも、飢えている自分がいることも分かってる。人間が抱く葛藤や矛盾が、真っ直ぐに繊細に描かれています。

頁を捲る手が止まりませんでした。彼と彼女が抱いてきた傷を、想いを、やさしく力強く掬い取って羽ばたかせる作者さまの描写力は圧巻です。

自らの力で生きる色を描いて行くんだと、自分自身の生き方にも寄り添って頂いたような気持ちになりました。何度も読み返したい宝物の作品です。素敵な作品を本当にありがとうございました！

「ねえ、吉田
ーー…俺、彼女できた」

片想いをしている相手のその言葉、嬉しそうな表情。
全部、ぜんぶ、夏の熱気に溶けてしまえば良かった。
そうしたら私は、夏を殺してと願わずに済んだのにーー…。

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夏を殺して。言葉の裏に潜むヒロインの気持ちが痛いほどに伝わってきました。報われた人がいるということは、報われなかった人もいるということ。ヒロインはただ、ただ、ヒーローのことが好きだったのだと、その真っ直ぐな気持ちに胸が熱くなります。報われないと分かっても、彼女が幸せになる未来を願わずにはいられません。

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夏ならではの情景がすっと入ってきて、繊細な描写がヒロインの儚い心情を際立てているように思いました。作者様の込めた「夏」への想いに触れられたことを幸せに思いました。
素敵な作品をありがとうございました！

夏はきらい。だいっきらい。
暑いし、虫は多いし汗はかくし、グレーのTシャツ着れないしっ！

でも、きみはーー…。

＊

軽やかで弾むようなやりとりが、夏の爽やかさとともに真っ直ぐに伝わってきます。
ヒロインがいとしくていとしくて。ヒーローに対する直球な想いを告白する場面も、それに応えるヒーローも、本当にすてきでした。

全部夏のせいにしてしまおうか。なんて思いながらも、このかけがえのない夏をふたりはずっと大切にしていくのだと思います。ケンカップルの可愛らしくて軽やかな会話とともに。

わたしはカルピスを差し入れするモブになりたかったです。素敵な作品、ありがとうございました！

あれほど輝かしく、青く澄んでいて、どこまでも行ける気がした夏。
そんな夏がもうすぐ終わることを悟っている彼女は、彼に別れを切り出す決意をします。

「わたしのことすきだった？」
「すきになれなかった」

＊

晩夏というひとつの季節柄を、ここまで繊細に儚く、それでいて美しく描けるものなのかと衝撃を受けました。柔らかく風情を伴った描写が素敵で、ひだまりのようなあたたかさを感じさせながら、言葉選びが巧みで世界観にのめり込みました。読後はあたたかさと切なさが相まって、この日々には戻りたいけれど絶対に戻れないのだと、真っ直ぐに突きつけられる余韻にずっと浸っていました。

＊

わたしたちは春夏秋冬を、この夏までを、確かに一緒に過ごしていた。
その傷も涙も含めてかけがえのない夏だったのだと思います。素敵な作品、ありがとうございました！

とあるカップルが出した、とある答えのお話。
わたしは冬が好きだった。彼は夏が好きだった。

ーー…それでもわたしたちは、確かに互いが好きだった。

＊

哀しい夏と書いて哀夏。けれど作者様の紡ぐ世界からは哀しさのなかに確かな光が見え、すぐさま作者様の世界観の虜になりました。彼らはその別れをどう咀嚼するのだろう、そしてどう歩いていくのだろう。そんな交わらない終焉の続きを想像させてくれる、読後は映像作品を拝見したような余韻に浸る、圧巻の短編でした。

＊

夏が終わることを、ほろ苦くやさしい風味とともに堪能させて頂きました。素敵な作品、ありがとうございました！

人気雑誌で何度も表紙を飾るナンバーワンモデル・杏鈴。
常にイチバンでいるために努力し、恋愛もせずひたむきに仕事をする彼女に、ある日バンドのMV撮影の仕事が舞い込みます。そのバンドのメンバーでベーシストの“彼”は、落ち着いていて品がありながらどこか気になる存在でーー…。

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キャラクターに、情景に、想いに。最初から最後まであたたかくてやさしい愛しさを感じました。いろんな感情をしまってきたであろうトシさんは、杏鈴ちゃんが傍らにいるこれからはもっともっと輝くのだろうと思います。そして彼ならきっとその想いを、メンバーとともにやさしく強く音色に込めるのだろうなと思いました。

＊

魅力的なバンド・あまいたまごやきのメンバーのお話。
「グッバイ・メロディー」、「フキゲン・ハートビート」に加え、あまくていとしい宝物がまたひとつ増えました。素敵な作品をありがとうございました！

主人公の葵はある雨の日に母親の携帯を見てしまい、着信履歴が同じ人物で埋まっていることに気付く。
浮かぶ予感を消し去りたいと願うように、意を決して電話をかけると

電話に出たのは、“その人“ではなかったーー…。

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まるで一本の映画を見ているようでした。

7日間の中で少しずつ明らかになる登場人物たちの過去、想い、そして恋と愛。なぜ葵と“彼“は出会ったのか。
それはきっと運命だったのだと、後半少しずつ伏線が回収されていくたびに涙が溢れました。終わり方がとても好きです。

彼女と彼の幸せを願わずにはいられません。素敵な作品、ありがとうございました！

主人公のひまりは、お隣さんのみっくんのことが大好き。
けれどみっくんは高校生になってからひまりに対して冷たくなってしまう。
ねぇ、どうしてなの、みっくんーー…。

＊

ひだまりのように柔らかな甘さを持った女の子と、クールで胸を焦がすほろ苦さの中に、確かなあたたかさを纏った男の子のお話。

様々な行事を通じてふたりの距離が縮まっていき、想いが交錯する場面や惹かれ合う心情にも注目です。ブラックコーヒー系男子みっくん、とにかく最高です…！

お砂糖とブラックコーヒーが合わさったとき、とっておきの口溶けをいただけます。
素敵な味覚のコントラストが散りばめられたとっておきのスイーツのような作品。恋がしたいな、恋っていいな、読後はそんな優しい思いに包まれました。

とても素敵な作品です。ごちそうさまでした！