姉の結婚式で再会した幼馴染の佑さん。
イケメン御曹司の佑さんから見合いを断る口実として偽造恋人を持ち掛けられてしまったヒロインの野乃ちゃん。初恋相手で８歳も年上の佑さんは昔からの優しい雰囲気はあるけれど、どこか頼りなくてヘタレていて、野乃ちゃんも断るに断れなくなってしまう。
複雑な心境のままで佑さんと会いながら、昔の恋心を思い出し偽造恋人の振りが重くなってしまうけど、どこか浮かれて楽しそうな佑さん。
年の差を考えているのは佑さんの方で、野乃ちゃんを好きになってしまった葛藤が悶々とこちらに伝わり、葛藤より行動と動き出したヘタレ具合がとても可愛らしく野乃ちゃんに対する愛情を感じました。さらっと読めて楽しくてまとめかたが上手でふたりの気持ちが伝わる素敵なお話でした。

作戦としては、それだったんですよね。外堀を埋めて、って。
虎視眈々と狙うヘタレ。こういうのは、経営戦略と似てたりするのかな。次期経営者ならではの戦略？（笑）
一括にヘタレといっても様々あるな、と思いました。年齢差があるからこそ躊躇う、その様がなんとも言えず。そう考えると、経営者目線というよりは、年の差あればこそ、外堀を埋めていく、という発想に行き着いたのかもしれませんね。キーワードの使い方が上手い。
野乃の心の強さと、ヘタレながらも逃がすまいと囲い込む佑の攻防が楽しいお話でした！