夏陽さんのレビュー一覧

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2011/11/22 12:27
情感溢れる物語

幼なじみの「理玖」と哀しい逢瀬を重ねる「真緒」との切ない物語。 流麗な文体で、胸が締め付けられるような心情を情緒豊かに描いた作品です。 主人公の目に映る景色だけでなく、色や匂いまでもが読者にも感じられることでしょう。 作品の象徴ともいうべき『月』の存在が、見事に二人の逢瀬にマッチしていて、ラストは素敵な余韻に包まれました。 すべてを読み終え、再びタイトルに着目し、納得!しました。 "ハッピーエンドの形は必ずしもひとつではない"と実感しました。 しっとりと胸に響く、情感溢れる作品です。是非、ご一読ください。 オススメです!!

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2011/07/23 09:46
無償の愛

作者・佳歩さんが御子息へ宛てた温かなメッセージです。 15頁という短さの中に、ギュッと込められた母の思い。 それは、すべての子どもたちに捧げる母親の愛情のようにも感じられました。 子どもを愛する気持ちは、きっと伝わるはず。 佳歩さんの思いも、きっと子どもたちに伝わっているはず。 子どもたちの成長を思い、母親としての優しさや無償の愛が感じられるこちらの作品――是非、たくさんの方に読んで頂きたいです。 オススメします!

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★★★★★
2011/07/23 09:16
お隣サマ!との恋模様

派手な外見にサバサバとした性格の主人公・泉穂。 外見とは裏腹に、本当は他人の顔色を伺う小心者。 そんな偽りの自分を演じていることに嫌気がさしていたある日、隣に越してきた男の子(アキ)と出逢い――…。 ひとつの出逢いによって、人はいくらでも変わることができる。また、諦めなければ願いは叶う――そう強く思わせる作品でした。 『Love and Days』番外編でもあるこちらの作品は、本編では明かされることのなかったアキの心情にも触れ、物語を二倍楽しむことができます。 本編同様、魅力的な登場人物に触れ、彼らと同じ空間で青春時代を過ごしているかのような錯覚に陥りました。 ひたむきに困難に立ち向かう泉穂の恋の行方、是非、皆さんも見届けてください! オススメです!

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2010/10/03 22:16
現代風おとぎ話

童話『ヘンゼルとグレーテル』をモチーフとした現代風おとぎ話です。 主人公・椿が立ち入り禁止の森の中で見つけたのは、可愛らしい喫茶店。 そこには、謎めいた店主の岳がいて……。 甘くてスパイシーな不思議なお菓子の香り漂う森の喫茶店を舞台に、二人のラブストーリーが描かれています。 胸が温かくなったり、キュンとなったり、切なくなったりと、読み手の心も慌ただしく動き回ります。 丁寧な心理描写と張り巡らされた伏線により、ラストまで目が離せません。 読後感のよい、素敵な作品です。 オススメです!!

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2010/03/19 14:24
愛憐に満ちた二人の物語

相手を想うあまりに、互いに傷つき、傷つけられる那智(ナチ)と藍(アイ)。  恋をする中で芽生えてきた「自分の中の罪悪感」という障害。  そんな孤独な二人の、哀しくも切ない、愛憐に満ちた物語です。 美しい情景描写とともに綴られる繊細な心理描写が秀逸です。 ぐいぐいと頁を捲らせる展開に、どっぷりとこの物語の世界に浸ることができるでしょう。  余韻の残る素敵なラストまで目が離せません。是非、章タイトルにも注目してみて下さい! オススメです!!

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2009/07/13 10:22
最愛の人

29歳という、女性にとっては「結婚」を意識する時期に運命的な出逢いを果たした彩と貴志。  8歳年下の彼との恋愛にドキドキしたり、悩んだり…… そんな複雑な女性心理を丁寧に描いています。  主人公・彩を取り巻く家族や親友との絆。 等身大の29歳の女性の姿が、ここにはあります。 二人がゆっくりと愛を育てていく過程を、是非、皆さんもご覧下さい。

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2009/05/15 09:14
愛と憎しみの果てに…

付き合い始めて3ヶ月の甘い二人・玲花と慎司。 二人の間で交わした冗談が、まさか本当になるなんて――…。  主人公のリアルな心情に、ぐいぐいと物語に引き込まれます。  丁寧な心理描写に、いつしか感情移入し、真実を知ったとき、自分ならどうするだろう…と、自分に置き換え、読み進めました。 『愛と憎しみは表裏一体』とはよく言ったもので、恋愛の難しさを改めて実感しました。 二人の恋の行方、是非、皆さんもご覧下さい。そこには、リアルな世界が待っていますよ。

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2009/05/08 10:03
一途な想い

『ラブレッスン』の番外編です。  前作は由宇さん視点のストーリー。こちらは、結城歩の視点でストーリーが展開されます。  本編では、明かされることのなかった結城の過去や彼女への一途な想いが、丁寧に綴られた作品です。  なかなか想いを伝えることのできない葛藤や歯痒さなど、結城の想いが手に取るように感じられます。 一人の女性をこれほどまでに愛し、愛しぬく姿勢に、読み手の気持ちも昂揚し、自然と彼の恋を応援したくなります。 『ラブレッスン』その後の二人の様子も垣間見れます。是非とも、本編と併せ読むことをお薦めします!

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2009/04/19 09:40
桜の咲く季節に…

高校を卒業し、桜が咲く季節に就職した主人公・さくら。  親元を離れ、初めての寮生活に戸惑いながら成長していくさくら。果たして、彼女の恋の行方は――…?  桜の咲く季節にぴったりな等身大の女の子を主人公にした物語です。  出会いと別れが織り成すこの時期に、是非とも読みたい作品です。皆さんも読んでみて下さい!

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2009/04/03 22:22
想い出に変わるまで…

想いを告げられずにいた彼と、20年ぶりに再会を果たした主人公・夏帆。 二人の想いは――…。 優しい語り口、丁寧な心理描写により作品の世界に引き込まれるでしょう。  何年経っても色褪せることのない、大好きだった人との想い出。 誰もが心の中に抱く淡い想い出が、主人公の気持ちに重なり合うことでしょう。 ラストシーンでの夏帆の決断には、胸がいっぱいになりました。 切なさと優しさとを感じるこの作品、是非、読んでみて下さい!

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2009/03/14 00:17
かけがえのない時

最も多感な時期である10代は、長い人生の中では、ほんの一瞬にしか過ぎない。 でも、それは二度と戻らない、かけがえのない時でもある――。  恋愛や友情、親子の関係など、目の前にある壁にぶつかりながら一生懸命に“今を生きる”彼ら。 魅力的で生き生きとした登場人物に触れ、彼らと同じ青春時代を過ごしているかのような錯覚に陥ります。 懐かしさと同時に、羨ましくもある彼らの姿に、過ぎ去りし日の記憶を重ねました。  情景・心理描写ともに丁寧で、作品の世界にのめり込み、何度も心を揺さ振られました。 煌めきを放つ、殊玉の作品です。是非、皆さんもお読み下さい。お勧めです!

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2009/01/15 09:41
溺れる恋

主人公マーヤの愛した男性には、“帰る場所”があった。  でも、彼への想いは止められない。彼を愛し、溺れた先には――…。  読み手の心にも主人公と同じ痛みが走るような、切なくも胸に響くラブストーリーです。 理屈ではない、リアルな恋愛が此処にあります。丁寧に描かれた心理描写により、作品の世界にすんなりと入り込めるでしょう。 いくら想い続けても実らない恋。その想いが少しずつ形を変え、過去のものに、そして『優しい思い出』になる有様をどうぞご覧下さい。

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2009/01/10 00:11
手繰り寄せる記憶と深い絆

ある日、突然、見知らぬ男に声を掛けられた主人公・百夏。  記憶にないこの人は、一体、誰なのだろう?  これを機に、自分の過去を知る旅に出る百夏だが――…。 手繰り寄せた記憶と、繋がる糸。そこを流れる絆の深さに、何とも言えぬ温かさを感じます。  【SR】サスペンスリレーのトリに相応しく、余韻の残る素敵な作品です。 バトンを巧みに採り入れ、それを捜し当てる面白さも、【SR】ならではの醍醐味です。 是非、皆さんもご一読下さい。 お薦めですよ!

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2009/01/09 22:17
『達磨』に隠された真実

子どもの頃、誰もが一度は遊んだことのある遊び――『だるまさんが転んだ』。  この言葉に隠された真実を取材する為、遠い異国の地を訪れた主人公・俊介。そこで、彼が目にしたものとは――…? まるで縦書き小説を読んでいるかのような、非常に読み応えのある作品です。  フィクションではあるものの、土埃の立つ渇いた空気や街の雰囲気が、よりリアルな世界を映し出します。 重く、深いテーマを扱っていますが、主人公と一緒にその“答え”を知りたくて、最後まで一気読みでした。 是非、皆さんもご一読下さい! お薦めです。

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2008/12/25 22:46
出会い、そして約束

ヨーロッパを旅行中に出会った4人の若者たち(レイ・リリィ・ジュン・アキ)。  共に旅をしながら、10年後の12月24日に再会することを約束し、別れた4人――…。  美しいヨーロッパの風景描写とともに語られる、各国の歴史も興味深いです。 それらとともに綴られる4人の恋の行方も見逃せません。 個性溢れる魅力的な4人組と一緒に、読み手である自分自身も旅しているかのような楽しさが味わえます。 出会いの奇跡、夢を追い続けることの素晴らしさを実感できる素敵な作品です。  ヨーロッパ旅行のガイドブックとしてもお勧めです。是非、ご一読下さい!

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2008/12/15 11:46
五人の絆

共に笑い、支え合い、同じ道を歩んできた幼なじみの五人。  成長とともに、互いを異性として意識していく中で、擦れ違う恋愛感情。  彼らが悩み苦しむ中で、見つけたものとは――。 作者・陽生さんが大切に温めてきた実話を基にした作品です。   実話ならではのリアルな心情が丁寧に描かれており、それぞれの人物が魅力的で、愛着が湧いてきます。  全編を通し、優しい語り口で綴られるこちらの作品――どうぞお読み下さい。

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2008/12/04 00:14
さまざまな「秘密」

得体の知れない人物から届く謎の手紙。 そこには、誕生日までの時を刻むカウントダウンが示されていた。  その数字が『0』になったとき、主人公の身に何が起こるのか――?  二転三転するストーリー展開に、頁を捲る指が止まらないほど、物語に引き込まれました。  短編とはいえ、サスペンス要素がたっぷりと詰まっており、読み応えのある作品です。  是非、皆さんもご一読下さい! お薦めです!

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2008/11/29 21:52
新ジャンル到来!

日々の生活で鬱積された両親への不満。 我慢の限界に達した主人公・茂男が引き起こしたこととは――…。  人気エッセイ『松嶋家』に登場する、お馴染みのあの方たちが繰り広げる、新ジャンル・サスペンスコメディです。  実話混じりのストーリー展開で、軽快なテンポとともに、時折クスッと笑いが零れます。  その中に織り込まれた、「家族」へのメッセージにも注目です。 『松嶋家』ファンのみならず、『松嶋家』にまだ面識のない方々も是非、お読み下さい!虜になること、間違いありません。

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2008/11/28 12:33
帰ってきたメールチェッカー

僅かな隙に狙われる携帯電話のメール。それは、愛するが故のことなのか?それとも――…?  男女間に於いて繰り広げられるメールチェッカー物語第二弾! 携帯電話という身近なツールが引き起こす、リアルな怖さが私たちを待ち受けています。 今回も期待を裏切らない展開で、頁を捲る指が止まらないほど、作品に引き込まれました。  あなたの携帯メールは、大丈夫ですか? 是非とも、『メールチェッカー【1】』と併せ読むことをお勧めします!

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2008/11/27 19:19
リアルな怖さ

ケータイメールを媒体に繰り広げられる、3つの物語。  現代社会に於いて、ケータイメールとは切っても切れない私たちの生活。 あまりにも身近な存在であるために、リアルな怖さが読み手の心にじわりじわりと押し寄せてきます。 【野いちご編集部】オススメ作品としても紹介されたこちらの作品―是非、たくさんの方に読んで頂きたいです! 引き込まれること、間違いなし! オススメです!!

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