みつばちとはちみつ
* 第1章 *
×× ヒロ ××


「ヒロ、梨 むこうか?
昨日 食べたの おいしかったよね。
今日 ママちゃん 遅くない?
忙しいのかなぁ。あ、そういえば、ニナが…」


勝手知ったる ウチの台所で、夕飯の洗い物を 片付けながら 幼なじみの
くうが 喋ってる。


いつもと変わらない風景…
3才から毎日の様に 一緒にいるのに
よく喋る事あるな・って 思うほど くうは おしゃべりなほうだ。…でも、


なんで あの事については 何も言わないんだ? あの大野先輩だぞ。
男でも憧れる先輩に告白されて…
そりゃ、普通 つきあうよな…


イライラする…
なんで こんなに苛立つんだ。
こいつの事でこんなに苛立つの、初めてだ。


「ヒロ?ヒロってば!
さっきから呼んでるのに〜!
どうしたの?今日なんか変。」

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