追いかけても追いかけても
1


朝横にあなたがいることに安心する。
ああ、今日もここにいてくれたんだと。
私、月白あゆは隣で寝ている彼、西条奏多と付き合っている。
もう半年だ。
でも、彼の気持ちは私にあるのだろうか?
付き合って欲しいと言ったのは私で、彼はその時好きな人がいた。
でもその人が他の人と付き合ってしまったので私が押したのだ。
好きなのは私だけ…なんだろうか。
彼の気持ちがわからない。
でも離れたくなくてなにも言えないでいる。

「んっ」
短い呻きが聞こえて彼の方を見ると寝返りを打っただけらしい。
見た目はそこまで筋肉質ではないが、こうしてなにも着ていないと筋肉があるのがわかる。
彼の腕に抱かれて眠っている間が私の安心できる時間だ。


スマホに手を伸ばし時間を確認するとアラームより30分早い時間。
また寝る気にもなれずに私は起き上がり支度をし始める。
< 1 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop