私には、ストーカーがいる
一章

ーー

二度寝した。
コンビニのバイトで、朝の七時前には起きなきゃいけないのに、冬のお布団の誘惑に負けた。

下手したら、そのまま布団と一日中ランデブーしていたところだけど、二度寝したと、冷静に思える時点で、許容範囲内の起床時間だった。

床に落ちて沈黙する目覚まし時計。
私を起こしたのは、充電中のスマフォだった。

「……、もしもし」

鳴り続けるスマフォ。出てみるも、通話は強制終了。

着信履歴を見たら、非通知から連続して六件もかかっていた。私のスマフォ、30秒後には留守電に飛ぶからな……

「んー、おはようございますぐらいは言いたかった」

欠伸を一つ。
当初は、非通知からの電話に怖じ気づいていたけど、バイトや、大学。決まった時間に起きない私の目覚ましコールとしてかなり助かっている。

こんなこと、親か恋人しかやってくれないのだろうけど。

私には、ストーカーがいる。

「ん?また電話。もしもし?」

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