恋の味【更新中】
プロローグ
8月13日。

真夏の太陽が私の色素の薄い肌をじりじりと焼き付ける。

「暑い…」

久しぶりの実家への帰省で、私はある所に向かって足を進めていた。

どうしても思い出せない幼い頃の記憶。

私は確かに、この街で¨誰か¨と出会い、海に入り、走り回り、叫び、見つめ合い…。

多分、大好きだった。いや、間違いなく。

幼いながら、紛れもなく恋をしていた。

思い出したいのに何もわからない。

こんなもどかしい感情と何年も共に過ごしてきた。

よくわからない、得体のしれない感情は今日も私を苦しめ続ける。
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