だから君を失った。
だから君を失った。
「だから、君が殺(や)ってないと言うのなら、彼女はどうやって死んだって言うのだね?」


「それは・・・」


「言い加減に自白しなさい。これだけ証拠は揃ってるんだぞ!

彼女の首にある二つの傷。司法解剖の結果、そこから大量に出血したことによる出血死だ。君が、刺したんじゃないのかね!」


「ですから、僕は本当に殺してない!それに、僕が『刺した』って言うのなら、凶器があるはずです。凶器は見つかったんですか?」


「だからそれも含めて聞いてるんだ!」


刑事さんがバンッと机を叩いた。


僕は取り調べ室で、ふたりの刑事さんに囲まれていた。


僕に かけられたのは、殺人容疑。


結論から言っておこう。僕は本当に、彼女を殺してないんだ。


いや、『そんなつもりは無かった』と言う方が正しいかな。


なぜなら僕と彼女は昨日――…


――…


―…


< 1 / 5 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop