白いジャージ ~先生と私~
第1章

先生のタオル

真っ白な飛行機雲が、青空を二つに分ける。


「お前ら、また見学か?嘘っぽいなぁ・・」


先生は、水泳の授業をいつも見学してる私達に機嫌悪そうな顔で近寄ってくる。

「せんせ~、女の子なんだもん。仕方ないの!!女の子の日だもん。」

親友のゆかりの発言に、呆れたようにため息をつく先生。


「はぁ・・毎週毎週・・お前らの生理、おかしすぎるよ・・病院行け!!」

先生は、首にかけていたバスタオルで、私達3人の頭をふわっと叩く。

全然痛くない愛のムチ。


「矢沢、お前さっき食堂で、たらふくうどん食ってたろ?」

優しい笑顔で、私にだけもう一度タオル被せてくれた。


いい匂い。

このタオル、欲しい。

先生のタオル欲しい。

先生のタオルになりたい。


「こら!返せ!!」

タオルを握ったままの私の手に、先生の温かい手が触れる。



ドキッ・・・


ぎゅっと握っていたはずのタオルから手を放す。



先生は、私からタオルを奪うとタオルを自分の頭に乗せ、生徒の待つプールサイドへと向かう。


フェンス横に咲くひまわり達が太陽の光を浴びて嬉しそうに輝く。



先生・・・

いつも困らせてばかりで、わがままでごめんね。



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