心 ―ハジマリノウタ―
第一章

My Heart






私の心は闇に囚われ、鎖で繋がれた。


私には生まれたときから心が無い。


私は、心を持たず生きてきた。


そして今も、私は心を失くしたまま生きている。



動く心臓。


全身に回る血液。


走れば息も乱れ、


殴られれば痛いと感じる。



けれど、私には心が無い。


私には、心が分からない。



私の心は今、何処にあるのだろう?


繋がれた鎖は、何時か錆び、滅ぶのだろうか?


いや、たとえ鎖が打ち砕かれ、


粉々になったとしても、


心は私の元へ戻ってはこないだろう。



寂しい


哀しい


嬉しい


楽しい


知らない、そんなモノは。


私に残されたのは、


虚しさ


ただ一つだけ。






< 1 / 534 >

この作品をシェア

pagetop