キミの隣に
気がつけば・・・
はあ・・・


とめどなく溜息が零れる。
濁点つきそうに濁った音。


「しんどい・・・。
仕事やめたいよぉ・・・
もう、やめたいっ・・・」

さすがに生活の事を考えれば、
やめるわけにもいかず・・・

嫌々続ける毎日。


間違いなく
重力が狂ってると思わすほど、
重たい足をひきずり、
部屋へと帰る。


玄関に座り込んだまま
床に転がっていると
携帯電話に着信が入ったようで
床面を振動が小刻みに打ち付け
電話が床を泳いだ。

のろのろと電話にでる。

『あ。もしもし。
渡辺さん、今、いい?』

私が、ボイストレーニングで
お世話になってる先生からの
コールだった。

「どうしたんですか?
大丈夫ですけど。」

『頼みあんの
聞いてくれるっ?!』

いや、内容に寄るだろっ??

いつも、テンションが
高いヒトだから、
諌めなければ、
その勢いに飲まれてしまう。

「里奈ちゃん、落ち着いて。
時に、その頼みとはっ?」

『あ。そうそう。
オッケーもらった気に
なってた』

ほら、要注意だよ。




 
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