我が家の甘々執事サマ☆
★0日目

新執事を迎える理由は。




「うぅー…」

朝。ピチピチとすずめの声が響き渡るその中で。

わたし、百瀬結愛は久しぶりに自分一人で目覚めた。


起き上がり、軽く背伸びをする。窓からは朝の光と、風が降り注いでくる。


今日は土曜日。学校もないければ、予定も全くない。


白を基調とした部屋では淡いクリーム色のカーテンがふわふわと揺れている。やわらかな風。


(着替え…ようかな)


結愛はせっせと自宅用のワンピースに身を包む。白いコットン生地に薄いピンクのリボン。


「そういえば…今朝は爺やの声がしないわ」


ぼそっと口にした名前…いや呼び名。わたしの名字、百瀬は大手百瀬財閥のことだ。

父、母ともに海外に移住中。日本にいるのはわたしだけ。

寂しくないのは小さな頃から『爺や』という存在があったから。


「爺や?」
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