龍とわたしと裏庭で【おまけの圭吾編】
第一話 真夏の赤ずきん
志鶴の部屋のドアが開いている。

暑いから風を通しているんだろう。


志鶴はうちに住む高校生の従妹


通りがけにのぞくと、ベッドの上に腹ばいになって何かやってる。

音楽でも聞いているのか上に折り曲げた片足がクルクルとリズムを取っている。


全く無防備


タオル地の部屋着は下着よりちょっとマシという程度にしか体を覆っていない。

僕にとってはいい眺めだけれど

開いたドアをノックすると、志鶴は慌てて飛び起きた。

ああ、携帯でワンセグ見てたのか。

「上に大きなテレビがあるけど?」

僕がそう言うと志鶴はニッコリと笑顔をみせた。


かわいい


「圭吾さんは今日何を見るの?」

「つまらない書類だよ」

それと、愛しい君を

「だから志鶴の好きな番組を見ていいよ。来るかい?」
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