甘い匂いに誘われて…
第一章

オフィスワーク

地球が破滅しようが空からイワシが降ってこようが、今日も今日とて私の一日はあまり変わりばえしないものである。






「神崎。」



ほら。
今日もぴったし11時30分に私を呼ぶ声。





「なんですか。」



言いたい事は分かっているが、一応聞いておく。




「コーヒー。」



そう言った彼は小学生の様な悪戯気な笑みを一つよこし、オフィス内の会議室へと消えていった。





先月課長になった私の、数少ない上司の命令を無視する事も出来ず、仕方なく椅子から立ち上がる。
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