マイティガード
マイ・ガード



小さい頃、一度だけあたしは白馬の王子様に憧れた。


寝る前に読み聞かせて貰った絵本。
そこに描かれていた、お姫様と王子様のロマンチックな物語。

年相応にあたしも、そんな王子様が現れてくれたらと夢を抱いた。




―――そんなものは信じてはいけません。
“王子様”なんてどこにもいないのですよ。―――




読み聞かせてくれた本人の言葉によって、あたしの理想は崩れ去ったけど。



しょせんは妄想が作り出したお伽話。
そう教えてくれたのは、あたしの唯一の従者……パーシバルだけだった。




あれから8年。
パーシバルの言葉通りに、あたしは空想を抱えず生きることになる。


だって、目先の現実があまりに過酷で、目を逸らしてる暇なんてないんだもの。



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