最後の恋、最高の恋。
Prologue



二つ上の姉は、身内の贔屓目なしに才色兼備でとてもイイ女だ。


私もそこそこの容姿はしていると思うけど、何分性格からなにから大雑把なせいで姉には遠く及ばない。


これで姉の性格が非常に悪いとかだったら、まだ私にも挽回の余地があるのだろうけど、残念ながら天は姉に二物も三物も与えたらしい。

姉の性格はまさに聖母マリアだ。


怒るときはちゃんと怒るけど、後を引かない。
すぐに許してくれるし、とても気が利く。

背も168センチと高くて、手足もすらっと細く長く。
腰まである黒髪はまっすぐでサラサラでツヤツヤだ。
瞳は言うまでもなく大きくて、まつ毛だって長い。
顔のパーツがすべて絶妙な位置で、まるで人形のようだと誰もが口々に言う。
でも、マリアのようだといってもとっつきにくいわけじゃない。




だからつまり、





「ごめん、俺お前のお姉さんが好きになった。 別れてくれ」






という状況になる。

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