とある神官の話
1 「ついに名前を呼ばれたんですよ」






 聖都にも秋が来た。

 四季が存在するこの地域は私は美しいと思う。春には寄贈されたサクラが咲き、夏には向日葵が姿を見せる。それが楽しみでもあるのだ。

 四季が存在しない、あるいは短いなどという場所もあるのだ。確かに暑すぎたり寒すぎたりするのは、体にくる「お姉ちゃん!」






「ジョゼッタ、カイム、レスタ。走らないの!」






 建物から飛び出すように駆け寄ってきた子ども達の後ろ、優しげな女性が立っている。

 ふくよかな体と、子ども好きな雰囲気はいかにも母という姿だった。いつ来ても、ブエナは私を娘のように迎える。





>>
< 1 / 796 >

この作品をシェア

pagetop