天国のマシュに会いたい
娘からの電話
「もしもし、知佳、あのなぁ、子猫飼わへん? ちょっと知り合いからなぁ、四匹も猫もろてん・・・と言うか預かったというか・・・とにかく一匹飼ってみいへん」

知佳というのは私の娘である。

その娘から聞いたマシュとの最初の出会いの話から書き始めます。

知佳が大阪に住むようになって二年目の、一昨年の六月初頭に友達から電話が掛かってきたのである。

住んでいるのは賃貸のワンルームマンションで、もちろんペットを飼うことなどは禁止されていた。

知佳は基本的に断るつもりであったのだが、友達と話をしているうちに実家で飼っている二匹の猫のことでも思い出したのか

「そしたら明日、どんな猫か見に行ってみるわ」

と言ってしまい、翌日、見に行くことになった。



翌日、知佳が猫の赤ちゃんを見に行ってみると四匹の子猫が居て、そのうちの三匹はシャム猫に似ている。

そして残りの一匹だけが、どことなく狸に似ていて毛はメインクーンのようにふさふさの姿をしている。

友達に訊ねてみると、片方の親がシャム猫で相手は不明だが全部ミックス猫だそうである。

四匹も飼うのは大変なので一匹だけでも飼ってほしいと知佳は友達に頼まれて迷ってしまった。
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