身勝手な彼女と、都合のいい俺(短編)
身勝手な彼女と、都合のいい俺
仕事帰り。

ビールの入ったコンビニ袋をぶら下げながらアパートの階段を上ると、俺の部屋の扉にもたれかかるようにして、女が一人立っていた。

セクシーでいて、清潔感のある顔立ち。

タイトスカートから伸びる、形のいい脚。

慣れた仕草でタバコを燻らせる彼女は、どこからどう見ても申し分のないイイ女。

俺の足音に気付いた彼女は、ゆっくりこちらに視線を向けると、

「お帰り、和田くん」

職場で聞くよりも、ほんの少し柔らかい声で俺の名前を呼んだ。
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