TABOO†その手でその目でその舌で~秘密の恋
その手でその目でその舌で







「ごめん、ストップ」




私の声で彼の手が私の体から離れる。


「少しだけ、肩に違和感があるの…」

「大丈夫かよ?」


小さな苛立ちを含んだ彼の声。



私のこと、

彼女として心配してくれているの?

それとも


「競技会も近いんだからちゃんとメンテしとけよ」


ダンスのパートナーとしてだけ?





この一年---


競技会で思うような成績を上げられず、

それに比例するように私達の仲もギスギスするようになった。



恋もダンスも…

パートナーを解消する日が近いかもしれない。



足早に練習場を立ち去る彼の背中を見送って、私はため息をついた。

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