侍ヴァンパイア
☆第1章☆

イチゴショート

~ゆうなside~



「…付き合って下さいっ!!!」



ーーー高校一年の夏ーーー



ジージジ…ジジジ…ジジジジジジ…



耳をつんざくような蝉の泣き声と



照りつけるギラギラした太陽



40度の猛暑なのにもかかわらず…



私の心は



とてつもなく



冷たかった



この人…いや、この人達は、一体私の何処を見て好きだと思うのだろうか…



「ごめんなさい」



足早にその場を去り、



いつもの日常へと戻ってゆくーーー



『ゆうなちゃん、男の人を簡単に好きになっちゃあダメよ…』



いたずらっ子みたいに笑う、


母の顔がふっと頭をかすめた



『…どうしてダメなの?』



『ふふふ…
お母さんの家系はね、、、先祖代々まったくっていい程に、男運がないの…』


『おとこ…うんってなぁーに?』



私が5才の頃、元々身体があまり丈夫でなかった母は、帰らぬ人となった



ギャンブルとお酒に溺れる父は
その翌年



好きな人が出来たと一言残し



行方不明になった



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