わがまま姫♀
♀お嬢様と転校生♀
【姫央♀side】



―――“社長令嬢”



小さい頃からそんなふうに言われて。



両親には、とびっきり甘やかされて生きてきた。



「……牧原ぁ、暑いんだけど」



だからこんなにもわがままで、おまけに可愛いげのない子に育っちゃったんだと思う。



「そう言われましてもクーラーが故障したんじゃ、どうしようもないですよ…」



わががまだとか、可愛くないとかさ。



そなことは、この自分が一番よく分かってる。



「もう、なんとかしなさいよ~」

「姫央(ひお)さん、これ以上は限界です」



あたしはけだるそうに、ベッドに寝転がった。



桃井財閥社長の娘。



見ての通り、可愛いげの欠片もない、ただのお金持ちの娘。



……え?



自覚があるなら治せって?




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