黄金(きん)の林檎
* 1 章 *
 小さな小鳥の声に目が覚め起き上がる。

 見覚えのない部屋。
 一瞬どこにいるのかわからず戸惑うが、すぐ横にある暖かな存在に気づくと自分がどこにいるのかを思い出した。

 ここは大切な場所。
 私の楽園。

 ここにたどり着くまで、私の人生はさまざまなことがあった。
 何度も辛い思いをしたけれど、無償で注がれ続ける愛情がいつも私を支えてくれた……。

 少し開いたカーテンの隙間から朝焼けの柔らかな光が差し込んでいる。
 その眩しい光を見つめ、私の記憶は昔へと彷徨って行く。
 
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