お姫様の苦悩

04:アクティビスト

｢あははははっ、あはははっ、はーはー……腹痛い〜。｣





休憩時間に入り、同期の坂井美和が腹を抱えて大笑いする姿に褪めた視線を向ける。





姉が会社の人にここのブライダルを教えたって言ったから、心待ちにしていたのになんだこの仕打ち。





頬が少し上気していたから、体調でも悪いのかと思っていたら頭の方が悪かった。





名も知らぬ、初対面の人に運命だから結婚してくれと言われ、歪みそうになる顔を必死に耐えた。





結婚してくれじゃなくて、普通は付き合ってくれが先じゃない。





例え、付き合ってくれと言われてもそんな気はさらさらない。





その場面をしっかりと見ていた美和は休憩に入るなり人目も憚らず大爆笑し今にいたる。





｢あーもうっ何もかも可笑しい!結婚してくれってプロポーズじゃない。あはははっ。｣