ジキルハイド症候群

自殺願望者少女A

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「………ねぇ、あの子」

「見た見た」

「陵南さんが……」

「大して可愛くもないのに」


ボソボソと話し声と視線が突き刺さる。
それを一身に受けながら、あたしは苛立ちを覚える。


（一体、なんな訳）


彼女達があたしを話題にしているのは恐らく昨日の蒼真の事。
どうやら蒼真は人気があるみたい。


（文句があるなら直接言えば良いじゃない）


陰でコソコソと煩い。
教室に入っても声は大きくなるばかりだ。
あたしは、心の中でため息をついた後、そのまま教室から出た。
苛立ったまま授業になんか受けられない、そう思った。


（静かな、場所……）


煩い中から解放されたかった。
静かな場所を求めてさ迷う。