出来ちゃった恋愛
俺、パパ
【咲都】



このままじゃいかん。



このままじゃ絶対ダメだ。



「どうした?」

「正社員になりたいな~って思ってたっス」

「やめんのか」

「ここやめたくねぇっス…」

「じゃあ一生バイトだな」



問題が出た。



俺はバイトであって、なんの保障もない。



俺になんかあったらユズはどうなってしまうんだろう…。



なんでもいいから社会的地位みたいなものが欲しくなってきた。



「お客だ、咲都」

「へ~い…。いらっしゃいまっ…ユズっ!!」

「ユズ…?」



な、なんで?



店長は俺を見てニヤッと笑った。



なんでユズがくんの!?



「紹介しろよ」

「あっ、嫁…です…」



『いつもお世話になってます、夏川の嫁です…』



そう言ったユズは完璧に照れていた。



ってかここにユズが来るって超恥ずかしいんだけど…。



「サキ、忘れ物…」

「えっ!?あぁぁぁ、助かった!!」



財布忘れてったのに気付かなかったのかよ、俺…。



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