天狗様は俺様です!
第六話 文化祭


 ゴロゴロ……


 近くの空で腹の底から鳴り響くような雷鳴が聞こえる。

 私は自宅の窓から不安な面持ちでそんな空を眺めていた。



 文化祭初日だった今日は朝から天気が悪かった。

 でも降ったとしても小雨程度で、文化祭を行うのに支障はないということで予定通り決行された。


 今日はミヤちゃんとカイ、そしてやっぱり何故か川内くんもオマケでつき、四人で見て回った。

 屋台もなかなかのもので、たこ焼きや焼きそばを買って食べたけど本当に美味しかった。

 お祭りとかで屋台の経験はあったけど、当たり外れがあるからこんなに美味しいと思ったのは初めてだった。


 それをミヤちゃんに言ったら――。

「この村で取れた野菜使ってるんだから当たり前だよ」

 なんて自慢げに言われてしまった。



 そして中学生の舞台も見た。

 ミヤちゃん達が言っていた通り、皆本格的にやっている。


 衣装もさることながら演技自体も上手で、私は明日の劇、本当に頑張らなきゃと思ったっけ。



 私はまた光った空にビクッと反応してため息をついた。





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