気まぐれ社長の犬
あの人、嘘吐いてますよ

妃和Side



風間家にいられることになって1週間が経った。

あたしはいつものように響城さんを起こしに部屋に入った。



「響城さーん起きてください」



そう言って揺らすも
全く起きない。

もう…毎日毎日この人はなかなか起きないんだから……



「響城さーん起きてください!!」


「っせーな……静かに起こせっていつも言ってんだろ」


「静かに言ったら起きないじゃないですか」


「うるせえな……昨日仕事してたから疲れてんだよ。寝かせろ」


「皆さん仕事してますよ。ほら起きて」



そう言って伸ばした手は掴まれ、そのままベッドに引っ張られた。



「きゃあ!!」


「30分経ったら起こして」



それだけ言ってまた響城さんは寝てしまった。


ちょ、ちょっとー!!!

抱きしめられた状態で身動きがとれなくて、起こそうとしても全然起きてくれない。


はぁー…諦めるしかないか。


でも少しだけ体を離すと、響城さんの顔がすぐ近くにあった。


うわ改めて見ると本当綺麗ー…

肌もにきびなんて全くないんじゃないかってぐらい綺麗で顔のパーツも全部整っている。

芸能人みたい……

いや、普通のアイドルよりも全然かっこいい。

もてるだろうなー。


ってずっと見てても仕方ないし…あたしも寝ようかな。

あたしは響城さんの温もりの中、目を閉じた。


誰かに抱きしめられて寝るなんて久しぶり……

意識はすぐ遠くなった。


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