なんでも屋 神…第二幕
第五章
「こうやって神君と出掛けるのも久しぶりだね。」



俺の腕を掴んだままスキップでもしそうな一葉は、桜の華も散り始めた歩道を、落ちた花弁を避けるように歩いている。



メンズとレディースで規格とデザインの違いは有るものの、ウェスタン風の白いシャツには、ピンクと水色の刺繍で桜のテイストが含まれている。



メインストリートの裏手に、ひっそりと服屋を開いた秀太に頼み込み、ペアのシャツを注文したのが一週間前。俺から一葉への入学祝いと言った所だ。



もっと他の身に付ける物が良いか悩んだが、案外素直に喜んでくれた一葉の態度に、俺の気分も晴れ渡った。



「また二人で座ってるよ。本当に仲良さそう。それに、二人共幸せそうだね。」
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