午前0時のシンデレラ
6.召し使い


あたしの家は、元は街の中にあった。


池田の屋敷と隣り合わせに建っていて、あたしと池田はいわゆる幼馴染み。


小さい頃は毎日のように二人で遊んで、それなりに楽しかった。



小、中学校も一緒で、何故か同じところを受験して、高校も一緒。


他の人から見たらお金持ちだったあたしたちは、嫌でも同級生から好奇の視線を向けられた。


それでも、友達はいて。

池田とも普通に遊ぶから、男友達もそれなりにいた。


普通の、平凡な高校生活を過ごしていた。


…ううん。

そう思ってただけだった。


あたしに"普通"の生活が、できるはずなかったんだ。



ある日突然、あたしの周りに変化が起きた。


持ち物がなくなったかと思えば、あるはずのない場所から見つかった。


靴はゴミ箱の中、体操服はトイレの便器の中。


仲が良かった友達は、あたしの全てを無視し始めた。


…典型的な、いじめだった。


< 86 / 200 >

この作品をシェア

pagetop