冬恋 ~フユコイ~
現れた王子様


「どうぞ」


ふと目の前に差し出された紳士物のハンカチ。

「いいです。大丈夫です」

私は慌てて自分のバッグに手をやった。

「いいから、どうぞ」

さっきより強い口調で差し出され

「すみません・・・。
ありがとうございます」

結局、そのハンカチを使わせて貰った。
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