俺はお前だけの王子さま
王子 春馬・side

はじめてのお誘い

翌朝。


ドサッ

俺が席につくと
水梨 ヒロキがにやにや顔で寄ってきた。


「王子さま~おはよー」

ヒロキの満面の笑みに
周りの女子が頬を染めているが…


「…はいはい、わかってるし」


絶対にこれは
昨日の賭けのこと考えてる顔だ。


うわべの笑顔にマジで騙されてるバカな女子。


コイツの頭ん中なんて
今エロいことでいっぱいなんだぜ?


「…で何さんだっけ?どいつ?」


俺の声に
ヒロキが人差し指を口に当ててシ―――ってする。


ヒロキは顔を近付けて
小さい声で言う。


「渡瀬 愛子。廊下側の髪が
肩までの子」


俺はヒロキの視線の先を見た。



「…マジであんなの狙ってんの?」




< 16 / 558 >

この作品をシェア

pagetop