気まぐれ社長の犬
番犬から婚約者へ

響城さんが社長就任まで残り2日となった。


副社長室ではいつものように響城さんが黙々と仕事をしている。



「もうすぐ響城さん社長就任ですね」


「ああそうだな」


「そうなれば響城さんともお別れですね」


「…そうだな」


「最後に私を抱いた方がいいんじゃないですか?」


「そうだ…は!?」


「だって婚約者である今しか抱けませんよ」


「いらねえよ」


「本当に?後悔しませんか?」



私は響城さんが仕事をする机に体を預け、胸の谷間を見せ付ける。



「デカ乳邪魔」


「はぁー…珍しい方ですね。もしかしてホモですか?」


「お前俺のこと調べたんだろ」


「ええ。大した女好きですね」


「昔は集まって来た女とヤりまくってたからな」


「じゃあもうこんなもの慣れてしまいましたか」


「ああだからどけ」


「はぁー…冷たい方ですね」



お世話になった分恩返ししようと思ったのに。

じゃあ私どうしよう。



「響城さん、何か私にして欲しいことありますか?」


「別に」



“何が食べたい?”

“何でもいい”

“それが一番困るのよ”


そう言う主婦の気持ちが今よーくわかったわ。


私が体以外にできること…なんだろう?

花は枯れるし他の人からたくさん貰うよね。



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