渇いた詩
side 久弥
あれは4年前の夏のくそ暑い日。



「久弥!!いい加減早く曲作れ!!!時間がないぞ!!!」


当時から人気絶頂にいた俺のバンドGalfiaは休みなんてなく毎日毎日、朝から晩まで行動を管理されていた。



自由に歌いたいときに歌いたい曲を歌うのが好きな俺にはそんな毎日が苦痛でしかなかった。



『100年に一人の逸材』


『奇跡の歌声』


そんな風に称されてから俺は自由に歌えなくなった。



どんどん期待されて、期待に応えなければと、



自分が何を歌いたいのか、わからなくなっていった。
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