腐女子も恋していいですか?
聡と瑞穂・村雨と聖
「あの後、どうだった? 村雨くん怒ってなかった?」
 登校してきた聖とげた箱で会い、そっと耳打ちする。


 ギクリ。と聖は肩を震わせて、視線をさまよわせる。
「ものすごく怒られた…」
 そういう聖の頬は赤く染まっている。


 聖の顔を見ていたら、なんとなく、村雨くんの怒り方がわかった気がして、それ以上はこっちが恥ずかしくなるので聞かなかった。


「わ、私のことはどうでもいいのよ! 瑞穂は? どうして聡くんが来たのか聞いた?」
「あっ…、それは聞かなかった。でも・・・・・・」


「おはよぉ! なになに? なんの話しぃ?」
 こそこそ話すように、二人で近付いて話していると、元気に舞が登校してくる。


 みんなで上履きに履き替えながら、ひっそりと、昨日の聡くんとのやり取りを話した。
 ・・・・・・キスしたことは、恥ずかしくて言えなかったけど。
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