無口なDarling

俺からみた二人(番外編)



俺は麻生賢。


何故かあの無口で愛想の悪い男、柚木猛ともう何年めかの親友である。


っと言っても猛が親友と思っているかは謎だけど。


そんな猛は、中学の時、本当に女癖が悪かった。


本人の耳には入らなかったようだが、猛は「あの目と合ったら即昇天」なんて言われていた。なんだよそれって感じだけど・・・。


それくらい猛は女と昇りつめていたらしい。


だけど別にそれは猛から誘っている訳ではなくて、猛の顔を見た女がワラワラと寄ってくるだけ。

まぁ、誘われてそれに乗ってしまう猛も猛だけど・・・


確かに猛は男の俺が言うのもなんだけど、格好いい。背が高いのに、小せー顔してるし。知り合いが美容師らしくて、髪型なんかも今風だし。


ちょっと悪目の顔が女受けするんだろう。


猛が働いている居酒屋なんか、猛目当ての客がすげーいっぱいいるし・・・
(澄子ちゃんには言えないけど)


そんな猛の傍に一切、女の子がいなくなったと思ったら、猛の目線はある女の子を追いかけていた。



その子の名前が「澄子ちゃん」


俺は委員会が一緒だったのもあって、少し喋った事があった。



明るい性格で、笑顔を絶やさない彼女。


綺麗に巻いてある髪に、大きな目。プックリとした唇がいつもツヤツヤしているが印象的だった。


そんな澄子ちゃんは、いままでの猛の趣味とは全く違う。


猛に寄ってくる女は、香水がきつめの大人美人。澄子ちゃんはどちらかと言うと、小さくて小柄な可愛らしい感じ。


だけど、澄子ちゃんと猛なら合うような気がしたんだ。なんと言うか、猛に足りないものを澄子ちゃんが持っているような。




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