危ない家庭教師〜美男兄弟の誘惑〜
縺れる赤い糸
日曜日の夕方。

私が玄関の近くにいた時、家のドアが開いて冴子が入って来た。


よそ行きのミニのワンピースを着た冴子に、


「出掛けてたの? デート?」


と声を掛けたのは、全くのはずみだった。本当にそう思ったわけじゃない。


冴子は一瞬“え?”という顔をしたけど、次の瞬間にはニヤッと顔を歪ませ、「そうだよ」と言った。


まさか……


「誰とデートしたと思う?」


「し、知るわけないでしょ?」


「そうかなあ。だったら何でそんなに動揺してんの?」


「ど、動揺なんて……」


「お姉ちゃんの想像通りだよ。二日続けてだから疲れちゃった」


そう言って冴子は私の前を通り過ぎようとし、私は思わず冴子の肩を掴んだ。


「本当なの? 本当に、涼となの?」


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