つま先立ちの恋
‡3月
3月。卒業式。

私はこの日、ようやく義務教育課程を卒業する。

また一歩、大人の階段を上ったんだ。


私はこの日をずっと待っていた。

だってフーはいつも私のこと子ども扱いするんだもん。そりゃあ、確かに子どもだけどさ。


だから、早く大人になりたいんだ、私。

早くフーの傍に行きたい。

早く・・・


フーがいるだろう会社の方の空を見上げて想いを告げる。


フー、私、またひとつ


フーに近付いたよ …――



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