7年目の浮気
2.

鼓動

加藤にプロポーズされた昨夜、茉莉花は眠れない夜を過ごした。


今の気持ちをどう表したらいいだろうか。
茉莉花はずっと忘れていた鼓動を、胸のドキドキを抑えることができなかった。

正直、嬉しい。

自分には芳雄がいて、自分は芳雄と別れることはないだろうと思いながらも、加藤にプロポーズされたことは嬉しかった。


加藤は考えてみると非の打ち所のない男だった。

仕事はできる、酒の美味い店は知ってる、ちゃんと見なくてもいい男だった。

イケメン、と言うよりいい男。

そんな印象だ。


しかもあんな風にはっきりプロポーズしてくるなんて…。
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