ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
一夜のあやまち
「……んっ」


寝ぼけた自分の出した声で目が覚めた。


白い天井。

その体勢のまま目線をぐるりと動かして、見慣れない景色に反射的にバッと飛び起きた。


……自分の部屋じゃない!


遮光カーテンからわずかに差し込む光を頼りに部屋を見回す。


ダークブラウンを基調とした部屋にはベッドとクローゼットのシンプルな寝室。

はだけた布団からこぼれるのは自分の素肌。


ベッドの下に散らばるのは……、昨日着ていた洋服。


ああ……、これってもしかしなくても……。


絶望的な気持ちで右隣に目をやると、うつぶせに眠る男の人の均整の取れた裸の背中が目に入った。
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