ハーレム ブラッド
家出吸血鬼
数日後

保健室



「…はぁ。

俺って甘いな…」

保健室のベッドの上で呟く幸大。


ちうちう…

「んくっ…」

血を吸う姫野。

「早くしないと休み時間が終わるよぉ?」

見張り役のクーニャ。



「ふぅ。

ごちそうさま。」

姫野が血を吸い終わる。

「ったく…

貧血で倒れる前に誰かから吸えば良かっただろ?」

「でもでも!!

貧血になったからって血を吸わせてくれるなんて、幸大君は優しいよねぇ。」

クーニャが言う。

「とにかく!!

マジで次はないからな!!」

「はいはい。」

姫野があしらう。




ガラッ。

保健室に誰かがやって来た。


「榊さん、大丈夫?」


「桂木先生。」

「倒れたって聞いて心配したのよ、もう平気なの?」


「はい、ちょっとした立ち眩みですから。」

「幸大君もありがとうね…

榊さんを運んでくれたんでしょ?」

「はい、まぁ…山下さんがドアとか開けてくれなかったら困ってましたけど。」

「山下さんもありがとう。」


「桂木先生は何で保健室に来たんですか?」

いつものクラスでのしゃべり方に戻したクーニャが言う。

「私のクラスの生徒が倒れたって聞いてどうしたら良いのかわかんなくなっちゃってとりあえず様子を…って。」


「私は大丈夫です。

そろそろ授業も始まりますから教室に戻ります。」

「そう?

お大事にね?」

桂木が心配そうに見送った。
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