Tricksters2ッ
再び脅迫状


─────頭割れそう。

 いや、むしろ一回かち割って粉砕してから、誰かもう一度組み立てくれ。


「うーっ…………」


 俺、二日酔いって嫌いだ……好きな奴なんていないか。


「じゅんちゃん、おはよ。大丈夫?」


 マンションの寝室。最近新調したダブルベッドの寝心地はまあまあだ。


「李花ー、水」


「はいはい。今日お仕事でしょ? はやく起きてシャワー浴びたほうがいいよ」


「ああそうだ……」


 今日、平日か? 休みじゃねーのかよ。



「そうだぞ。じゅんちゃん
はやく起きないと遅刻だぞ!」


 ガバッと布団をめくり飛び起きた。

 ゼンが昨夜とは違うブラックシルクのスーツ姿で腕を組み俺を見下ろしている。


「おまえ……、まだいたのかよ?」

「一度帰ってから、また来たんだ。今日は最悪な一日になるだろうから。淳一の幸せそうな寝顔でも拝んどこうと思ってな」


「最悪な一日って?」

 眉間にシワを寄せると、アイツはふっと柔らかい笑みをもらし「すぐにわかる」と言った。



「はやく着替えろ。李花ちゃん最高に甲斐甲斐しい彼女だな。朝食できてるぞ」



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