わかれあげまん
プロローグ



ジリリリリ……


聞き慣れないけたたましい目覚まし時計のアラーム音に、彼女はいきなりの覚醒を余儀なくされた。


「ふぇっっ何?火事?警報?」


ブランケットから顔を出したら、ボサボサに乱れたはねっ毛がピョコリと揺れた。


身体を起こして慌ててキョロキョロ見回すと、自分が包まってるのと同じブランケットからヌーっと伸びる、長い腕。


その腕は心得てるようにヘッドボード上の目覚まし時計を的確に探り当て、パシンと叩いて止めた。


呆然とその腕を眺める彼女。


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