魔女の悪戯
クリスティア城

チュン、チュン──


「っ…。」


小鳥の鳴き声と、朝日の眩しい光で、クリスティア王国の騎士、レオナルド・ジルファースは目を覚ました。


まだぼうっととする頭を抱えながら、とりあえず寝巻を着替え、ゆっくりとした足取りで王宮に与えられた部屋を出て、水場へ行くと、顔を洗う。


冷たい水によってまだ夢心地だった頭も覚醒し、布で濡れた顔を拭く。


水を一口飲むと、再び部屋へと引き返した。


部屋で銀色の鎧に身を包み、食堂まで朝食を食べに行く気にもなれず、寝不足の原因ともいえる王女に昨晩、半ば無理矢理押し付けられた菓子をひとつ、口にほうり込む。


レオは重い足を動かし、騎士仲間の待つ訓練場へと向かった。


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