打倒パニック障害!!パート2~妊娠編~
有り得ない医者!
S大学病院の精神科は、一度受診していないと、救急や夜間では対応してくれないとの事だったので、11月7日に早速受診しに行った。

妻は悪阻で体調が悪く、待ち時間はベッドで横にならせてもらっていた。
待ち時間に女性の看護士さんに、病気についての質問をいくつかされた。

そして診療……。
若い先生で、第一印象は、お笑い芸人の『インパルスの堤下』だった。

堤下は、薬で母体を安定させ、赤ちゃんへの影響を減らすという今までの考えを覆し、減薬を勧めてきた。
やり方を変えるのは抵抗はあったが、ここまでは普通に話を聞いていた。

この後、精神科の先生とは思えない事を堤下は語り出した。

「減薬はきつい」
「減薬しても奇形児が生まれる可能性はある」
「頑張っても奇形児が生まれる可能性はある」
「少量でも薬が全く影響がないとは言えないから、奇形児が生まれる可能性はある」

などなど…。
ことあるごどに「奇形児」を連発し、頑張っても報われないような言い回しが多く、最後には、おろすことも選択肢に入れて話し合え的な事まで言ってきた。

夢も希望もなかった……。

家族である私にのみ話すのならわからないでもないが、患者の目の前で言うことではない。
 
はっきり言ってまともな医者……いや、まともな人間の言うことではなかった。

何かあった時の為の責任のがれの準備をしているようで、苛立ちが込み上げてきた。

私はまだ抑えられたが、絶望を突きつけられた妻は、その場で発作が出て、泣き出した。

堤下は何を勘違いしているのか、
「今は泣きたいだけ泣くといいよ。」
と、自分が原因で発作になっている事を微塵もわかっていなかった。

この勘違い精神科医に、憤りを感じ、普段人に対してムカつきなどを殆ど感じない私だったが、胸ぐらを掴みたくなるぐらい、私はムカついた。

しかしその場で堤下に文句を言っても、意味はないと思い、
「もうこの医者はダメだ!」
と割り切り、妻の介抱にあたった。

その間の堤下の行動はというと……後は自分達でなんとかしてくれと言わんばかりに、パソコンに向かいカタカタと、診療の後処理をしていた。
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