Blood smell 2
逃避行
次の日の夜中
私たちは荷物をまとめ
そのまま森伝いに
東北を目指した


周りには
修二のご両親と数日の海外旅行に行くと告げ


一方で
学園長先生の提案で
ハワイに実際に予約を取り
私たちそっくりのダミーを用意し
空港に向かわせた


ダミーといっても
見た目は人間と変わらず

会話も食事も出来る


学園長先生の高等技法らしいけど
ヴァンパイアは本当に奥が深い…



私を除いたみんなはヴァンパイアなので
普通の移動手段を取るよりも素早く

そして目立たずに
東北の地にたどりついた

一昼夜走り続けた修二たちは
疲れなど見えてなかったが

修二におんぶされてるだけだった私は
なぜか全身疲労感襲われていた



そして
東北の最奥
うっそうと木々が茂る
うす暗い森の中

私たちは道なき道をすすなんでいた



この辺は地元じゃ有名な樹海の森で
一度足を踏み入れると
二度と戻って帰れないといわれてるらしく
人家はおろか動物さえも見当たらなかった
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