30才の初恋
第2章

試練

「副社長、仕事に戻らなくていいんですか?」




「今は昼休みだ。明日美、俺の顔を見て話せ。」




「やだ。」




「明日美、明日から副社長秘書だ。そのつもりで出勤しろ!」




いい加減にして、何で私が副社長の秘書な訳。




絶対やだ!




「いくら拒んでも無理だ。今日辞令が下りる。」




辞令?




電話が鳴る。




「武井さん、社長室まで至急おこし下さい。」




なんで、社長が私を呼びだすの。



もしかして、斗真の仕業?



「三浦受付頼むな、明日美は借りて行く。」




やだ、手を離しなさいよ!



社長室には行かないんだから。




抵抗して暴れる私を、斗真は軽々と抱き上げた。




ちょっと冗談じゃないわ。みんなが見てるし、信じられない。









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